アルコールを飲んだ方が眠りやすいと感じたことはありませんか?
そうした効果ははじめのうちだけで、どんどん眠りが浅くなります。
寝酒は睡眠の質を下げ、かえって目が覚める回数を増やしてしまいます。
アルコールは寝ている間に体からゆっくり抜けていきますが、その反動で眠りが浅くなります。
また、寝つきをよくするためにアルコールを飲み続けると体が慣れてしまって寝つきをよくする効果がなくなってきます。これはアルコール性の不眠の原因となります。
お酒を飲まない日、つまり休肝日に眠れない方はアルコール性の不眠の症状である可能性があるため要注意です。
寝酒を続けるとアルコール依存症に陥ってしまう危険性もあります。
※ レム睡眠:からだの睡眠。浅い睡眠で、夢を見やすい状態。
ノンレム睡眠:脳の睡眠。深い睡眠で、眠りの前半にあらわれやすい。
寝つきの悪い日が続くようでしたら、アルコールに頼らずに医師と相談しましょう。
睡眠をとるための(睡眠薬代わりの)寝酒は百害あって一利なしです。
睡眠と体内時計
睡眠のリズムは、脳の中の時計「体内時計」にコントロールされています。 地球の1日が24時間なのに対し、人間の本来持っている1日の単位は25時間と言われていま す。もし光も温度も1日中変わらない条件の中で生活すると、ヒトは25時間ごとに寝たり、起 きたりする事になります。私たちは太陽の光を浴びる事で、体内時計を1時間早めるリセット・ ボタンを毎日押しているのです。
体内時計を正常化するポイント
●朝、まずは決まった時間に太陽の光を浴びるようにする
●昼夜のメリハリをつける
・日中は適度な運動をする
・太陽光にあたる
・昼寝をする時は午後3時までに20~30分とする
●規則正しい時間に食事をとる
特に朝食をとり、早く血糖値をあげる事で、1日のリズムが作りやすくなる
●就寝直前の入浴はぬるめのお湯で
●就寝前は、酒、タバコを控える
●夜10時以降の食事は控える
●就寝前は、スマートフォンやPCなどのブルーライトを控える
睡眠薬について
●生活習慣を改善しても充分な睡眠が得られないときには、睡眠薬を使います。
●主な睡眠薬の種類
・GABA受容体作動薬:脳全体を鎮静させて眠りをもたらすくすり
・オレキシン受容体拮抗薬:過剰な覚醒を抑えて眠りをもたらすくすり
・メラトニン受容体作動薬:体内時計を介して眠りをもたらすくすり