治療にはいろいろな方法がありますが、一人ひとりに合わせた治療を組み合わせて行います。
主な治療方法には以下のようなものがあります。
薬物療法
薬物療法とは、薬による治療です。
この治療は、不安や緊張を和らげ、安定した睡眠をもたらし、病状の軽快に大きな役割を果たします。
修正型電気けいれん法(m-ECT)
修正型電気けいれん法とは?
m-ECT(modified Electro Convulsive Therapy)
電気けいれん療法(ECT)は、古くから行われてきた治療法の一つです。
当センターでは、全身麻酔薬と筋弛緩剤を使用して、施術による苦痛や身体的けいれんを緩和します。
具体的には、静脈注射によって全身麻酔を行い、筋弛緩剤を投与したうえで頭部に電極をあて、数秒間電気刺激を与えます。
電気刺激により脳内に治療的影響を与え、治療効果を得るものです。
(施術に必要な時間は、約20分です)この治療は、週2回行い、1クール6回から12回(3W~6Wの治療期間)を目途としています。
対象者 |
難治性の統合失調症、うつ病、緊張病状態等の方 |
効果 |
- 治療を続けることで退院できる
- うつ状態の改善
- 具体的な内容が入ります。
- 具体的な内容が入ります。
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他の治療と同様に効果のある方もいれば、効果がわずかであったり、全く効果がない場合もあり得ます。また、すっかり回復したにも関わらず、病状が再燃する方もおられます。
詳しいことは、診察時にお尋ねください。
安全性について
m-ECTの死亡例は低く、欧米のデータで1万人に1人、8万治療回数に1回とされています。
これは、通常手術の全身麻酔の危険率や抗うつ薬服用中の死亡率より低いとされています。
また、事前の検査や麻酔科医の診察を行うなど安全には最大限の配慮を行っています。
治療の流れ
1.事前検査 |
入院したのち、必要な事前検査を行います |
2.前日準備 |
治療前日21時から絶食とします |
3.治療 |
当日朝に点滴ラインをとります 静脈麻酔薬、筋弛緩剤、100%酸素投与を行います 頭皮上より数秒間の通電を行います |
4.終了 |
麻酔から覚め、約2時間ほど様子を見てから自室に戻ります |
精神療法
患者さまと治療者の対話を通じて、問題を明らかにし、その問題を克服するために行う治療です。精神療法は、個人面接の他に、家族面接や患者さまのグループによって行われるものもあります。
精神科リハビリテーション
患者さまの社会復帰に向けて、
患者さまの希望や状態にあわせた次のような療法を行っています。
作業療法
軽作業や趣味的な活動、種々のレクリエーション活動等を通じて、症状の改善や人との接し方を養い、一人ひとりにあった社会生活を送れるようにするためのものです。
入院生活技能訓練療法(SST)
コミュニケーション能力を高め日常生活をしやすくするための集団認知行動療法です。
病棟レクリエーション
社会生活を身につけたり、気分転換をしていただくため、病棟単位で院外活動 (ショッピング、食事会、娯楽施設の利用など)や病棟内でゲーム、カラオケ等を実施しています。
心理教室
年に1クール(5回~6回)家族や本人を対象に病気に対する知識や対処方法を他職種のスタッフ共に考えていく集団療法です。
(入院中だけでなく、通院の方も対象です。)
合併症の治療について
内科については、他の病院から定期的に内科医が往診に来ています。
歯科については、週1回歯科医の診療を行っています。
しかし、当センターで対応が困難な合併症については、他の医療機関の専門医に受診していただきます。
その場合は、付き添い等ご家族のご協力をお願いいたします。